RIVORA ART PROJECT
T-SHIRTS
With MASAHISA FUKASE Archives
Masahisa Fukase
"A GAME" and "SASUKE"
深瀬昌久 "遊戯" と "サスケ"
60-70年代、写真家の発表の場は雑誌や印刷物が主であった。月刊誌や『Provoke』のような同人誌で写真を通じたラディカルな社会批判が展開されていた。今回のプロジェクトは、Tシャツという現代の複数性のメディアに載せて、深瀬作品が再びよみがえる試みでもある。
深瀬昌久 Masahisa Fukase(1934-2012)
北海道の写真館に生まれる。日本大学芸術学部写真学科卒業後、東京を拠点に写真で食べていく道に進む。1974~76年には、荒木経惟、森山大道、東松照明らとともにWORKSHOP写真学校で講師を務めた。写真集に『洋子 / Yohko』(1978, 朝日ソノラマ)、『ビバ!サスケ』(1979, ペットライフ)。代表作に「鴉」が知られる。1992年に新宿の行きつけのバーの階段から転落。活動不能となってしまったため、謎多き写真家として長い間ヴェールに包まれていたが、2014年にトモ・コスガによる「深瀬昌久アーカイブス」が発足し、その相貌が明らかになりつつある。
その、深瀬昌久アーカイブスの活動により、2015年の初の回顧展『救いようのないエゴイスト』(Diesel Art Gallery, Toky)を皮切りに、2017年にはアルル国際写真祭に同展が巡回、その後も2018年のKYOTOGRAPHIEで『遊戯/PLAY』展(誉田屋源兵衛, Kyoto)、『PRIVATE SCENES』展(Foam Fotografiemuseum, Amsterdam)、2019年に同展の巡回展がミラノで開催された。また、出版物も立て続けに発表されている。2018年には深瀬昌久全集『Masahisa Fukase』が、パリ・フォトが主催するThe 2018 PhotoBook Awardsにノミネートされるなど、そのインパクトは急速に、そして確実に国際的なひろがりを見せている。
一方、ここ数年で、日本の60-70年代の写真は世界的に注目を集めている。2016年からアメリカを皮切りにPROVOKE展が巡回した影響が大きい。深瀬はPROVOKEのメンバーではなかったが、まさに同時代の中心で活躍していた人物である。しかし、1992年の転落事故により、長い間その作品はヴェールに包まれてきた。すでに本人が不在で、未公表作品も多い深瀬に対する興味はますます高まっている。